- ディアン役:ゆかなさんへのインタビュー公開日 2012/01/27
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「LASTEXILE」をひと言で表すと?
ゆかな 私にとっては「グラキエス語」(注:実際のセリフはロシア語)ですね。
アフレコで、いままでこの世界での共通語(日本語)をしゃべったのはまだひと言なんです。
まさかこんなことになろうとは思いませんでした。グラキエス語を話すディアンという役はどのように決まったのでしょうか?
ゆかな それは良くわかりませんが、前作でもお声がけいただいていたんです。その時はスケジュールの都合がつかず、サブタイトルだけ担当させていただきました。
今作でも同様にサブタイトルを収録に来たら、見学されていたグラキエス語監修の方から「これからロシア語がいっぱいありますが、よろしくお願いします」と言われたのが 最初でした。
その時に「何のこと?」と(笑)。そのようなことは聞いてなかったんです。 とはいえ、最初に少しだけ外国語でしゃべって雰囲気を作り、あとはその世界の言葉で――という形だろうと思っていたのですが……。まさか、こんなにずっとグラキエス語でしゃべり続ける日が来るとは(笑)。ここまで徹底すると、ロシアの方が聞く機会があったら喜ぶでしょうね。
ゆかな ウィオラ役のジェーニャさんはアニメが好きでロシアから来られたそうです。私にもたまたまロシアに知り合いがいるので、やるからにはできるだけのことをしたいなと思っていました。その甲斐あってか(?)毎回グラキエス語部分の台本をできるだけ自分なりに咀嚼しつつ読んでいたら、 だんだん何を言っているのか分かるようになってきたんです。少しではありますが良く出てくる単語とか、文法もたぶんこれが主語だろうとか。気がつけばキリル文字もなんとなく読み書きできるようになりました。ルビを振ってもらっても、日本語にない発音が多いので、カタカナを極力使わずキリル文字の方を直接読むように心がけています。アクセントの有無で発声が変わる音などがあるのでなかなか難しいですけれど。
ジェーニャさんとのコミュニケーションは?
ゆかな 彼女は日本語が通じます。固有の文化や言語的な制約、背景などが難しい場合は私がサポートします。日本語特有のあいまい表現が叙情的で美しい場合、どのように訳すかは難しいですよね。アフレコのときも、監督の側の表現したいことと、彼女が置き換えた言葉とで、直訳したフレーズ自体は違っていなくても意図が違っている場合がありますし。
そういうことは言語の学習レベルというより慣習や文化的な背景に基づく違いであることが多いので。
たとえばファムが「グランレースを一緒にやろうよ」と言うところ。
はじめ訳では「開催する」となっていました。でもファムは主催者になるつもりではないし、みんなに働きかけるから「出場する」でもない。その時は現場で時間もなかったのでテロップ上はそのままで、「私が作る」と訳すのはどうかと提案させていただきました。大正解ではないけれど、長い協議で両者ともに迷宮に入られてしまっていたので。
外国語に対するとき、痛いとか眠いというような根源的な要求を伝えるという基本のハードルがありますが、その次には感情やニュアンス、生きてきたバックボーンの違いを理解し合うというようなハードルがあるんですよね。ゆかなさんは今回、役者として第二のハードルにチャレンジされているわけですね。
ゆかな まず、ディアンを私がやる意味を考えました。綺麗な発音のみ欲しているのなら、ロシアの方にやっていただいた方が良いに決まっています。そうではなくて、私がやる意味や私に出来ること、最終的にはそちらを優先する、というのが自分の中での結論でした。
発音は大事だけど、あまり気にしすぎて表現がおろそかになるのは本末転倒。
だからジェーニャさんには「直前まではテクニカルなことをやるけど、マイクの前に立ったら芝居の流れ優先でやります」と宣言しています。正しい発音に気を取られ過ぎるより、気持ちの流れや感情を優先して発声するという意味です。ただ、どちらも出来るのが理想なので、直前までと取り直し時の発音チェックは誰よりもシビアにして下さいと話してあります。ディアンの人物像を理解するのに時間はかかりましたか?
ゆかな ディアンは小隊長なので、平素業務上はそれほど感情を露わにしたり慌てることのない人物です。
そんななか12話では貴重な人となりがうかがえます。
監督からあずかっているキャラクター設定も、若くして隊長で、小さいころから優等生タイプというもの。
私も小さいころ、自分の感情より全体を優先することがありました。ディアンが小隊長として部下の命を背負って命を生かしたり、能力を活かす姿勢には共感できます。この世界全体についてはどのようにご覧になりますか?
ゆかな いまのところで申しあげますと、領土争いや覇権争いという原始的な問題の渦中で、―群像劇に近いかたちではありますが―ファムたちがどう生きていくか、どう自分らしく進むかだと思います。
そして「エグザイル」という絶対的な力とどう対抗し折り合いをつけていくか。
でも、どんな大きな雪だるまも、核になるのは小さなもの。覇権争いにしても元は誰かの思惑が核になっているのか。エグザイルといえど起動するのはあくまで人間の意志だったりするので、大きさと本質の対比といった問題もつきまとうんじゃないかな、と思います。次回のインタビューはリリアーナ役の沢城みゆきさんです。メッセージをお願いします。
ゆかな 今のところディアンは、リリアーナがエグザイルを起動したことをわかっていて「あの女」と一方的に恨んでいますね…。
沢城さんとは学生の時に出会ったのですが……。艶やかな姫さまを演じられるお年ごろになられて、嬉しいやら誇らしいやら頼もしいやら…。
リリアーナも大変だけど頑張ってね!